毎日が日曜日[日曜定点観測20150203~08]
あいさつ
活字を追うばかりで誰かに会うことの少ない毎日。
仕事に行く両親に謎の申し訳なさを感じつつ今日も過ぎゆく
エピソード
原付がこわれた。
この頃は殊にエンジンの調子が悪く普通に走る日もあれば、30キロ以上の速度が出ず路上の鼻つまみ者になる日もあった、けれどもなんとか駅まではたどり着いてしまうので持ち前の貧乏性で乗り続けていたがある日を境にエンジンがかからなくなった。
ある日、珍しく調子のよい走りをしたので、まだまだいけるじゃんと安心したのだが皮肉なことにそれがラストランになってしまった。
見れば走行距離2万キロ弱、原付にしては驚異的な数字だ。
直線距離であれば地球の真裏のブラジル沖までたどり着くことができた、バイク屋には嫌われ続けたが事故らず看取ることができて良かった。
彼を失くした僕は無力だ。悲しみからではなく、物理的に遠出ができなくなった。
仕方なしに家にいると学校から帰ってきた妹が「今日も家にいんのかよ!ニート!」と毎日のように温かい台詞をぶつけてくれる。家族カーストの最底辺にいることを実感する素敵な夕暮れ。
彼に代わる相棒を目下捜索中、心当たりのある方は是非御一報されたし。
読書
吉行淳之介 短編集「悪い夏/花束」
アンソロジー 人間の情景 短編集「こんな人たち」
日本銀行季刊広報誌50周年記念号「えっせいず」
おわりに
明日は朝からあそびます
浅い吐き気と疲弊する肛門
2月です[日曜定点観測20150125〜0201]
本をさらに活用する読書カードの作り方、ノートの取り方など学生が学問に着手する前に学ぶべきことがらがわかりやすく列挙してある。
知識獲得の技術を高める効率の良いメモの取り方はとても参考になったが、いつも一冊のメモ帳を使い切る前に失くしてしまうのでメモ帳の使い切り方も教えてほしかった。
短編
坂口安吾 「私は海を抱きしめていたい」
岡本かの子 「愛よ愛」
国木田独歩 「恋を恋する人」
芥川龍之介 「恋愛と夫婦愛を混同しては不可ぬ」
今週は愛をテーマにした短編集を読んでいたので字面がなんとも愛に溢れていて文字に起こすのがすこし気恥ずかしかった。
上記の「私は海を抱きしめていたい」は不感症の女性を取り巻く周囲を題材にしていて、昔読んだ三島由紀夫の「音楽」と比較しながら読み進めていくことができてとても興味深かった。
エピソード
金欲しさに夜勤ばかりしている。
春休みなのにまったく休めていない。
うさぎはいつもかわいい
おわりに
明日も夜勤の予定です。
おとなですから[日曜定点観測20150118~25]
週末に最高の買い物をしたことをここに報告します。
きっかけと言えば「Discover Japan 目利きが選ぶ日用品」を読んでいたときにたまたま発見し、ビビっと一目惚れしてしまったのがはじまりですね。
その後も悩みに悩みぬいて、僕、いや私もですね、成人して大人の仲間入りをしたということでこの機会に買ってしまいました。
祝成人ということで。
MY七輪です。
これでさんまとか、牡蠣とか焼いてみんなで食べたら最高じゃない?
👩「あ〜寒いわ〜、死ぬわ〜」
👨「うちの七輪で暖まる?」
🙋「行く!!!!!」
こんなオトナな使い方もありです。
合羽橋の釜浅商店本店で購入しました。
記憶にない一本締め[日曜定点観測20150111〜18]
悲しみの中ジョッキ、追加で[日曜定点観測20150104~11]
成人式。
それは誰もが主役になれる人生の最初の節目なのかもしれない。
女の子は晴れ着に身を包み、いつもよりちょっと濃いお化粧とヘアメイクを。
男の子は背広や袴を着て、前日に散々悩んだネクタイをきゅっと締めて。
朝から家族と何枚写真を撮ったかわからない。
誰と誰で撮ってないからもう一回、ピンボケだからもう一枚と、撮影者がころころ変わって、終いには猫カフェの猫もこんな気分なのかなと考えていた。
バタバタしてるうちにいつものメンバーが迎えに来た。いつも車のことしか考えて無い自衛隊の友人がぴかぴかの徽章のついた制服を着ていた。
「制服効果で今日はだれかお持ち帰りしちゃおうかな」と調子に乗るコイツが警察にお持ち帰りされないことを祈りながら会場の近くにあるコンビニへと向かう。
コンビニには顔なじみの野球部が集まっていた。中学時代ならば100%の坊主率を誇っていた彼らから汗臭い球児の風格はとうに消え失せていた。
顎髭を生やし、どこかで覚えたタバコに火をつけて渋い顔で話しているが、内容は相変わらず車と女の子のこと。
相変わらずみんな下ネタで爆笑する姿を見る限り、ユニフォームがスーツに変わっただけで脳みその量はちっとも変ってなさそうで安心した。
ひとりが口臭ケア商品を買うと続くようにまたひとりと会計に向かう、起こるはずのないできごとに期待する少年のような面持ちで。
受付開始時刻をすこし過ぎたあたりでコンビニを出て各々自慢のマフラー音を響かせながら会場に向かう。左折待ちでいつもより多めにアクセルをふかす、密かに想いを寄せたあの子が気づいてくれるはずもないのに。
砂利の駐車場に車を停める、続々と車から出て会場へと歩く晴れ着姿の女子の横顔があまりにも記憶とかけ離れていてちょっと焦る。
派手なオープンカーに旭日旗、揃いの赤と金の袴に身を包んだ奴らが会場を盛り上げてくれていた、2km先からでも見つけられそうな彼らの威勢の良さに成人式はやっぱりこうでなくちゃなと胸がうずいた。
会場までの100mの道で何回の久しぶりを聞いたかわからない。一歩進むたびに懐かしさの波にのまれて受付をすますのも一苦労だった。
客席を見回しても知らない顔がたくさんいるように見える、目を凝らせば面影のあるのもいるが、誰なのかまったく見当もつかない人も多い。
式典の最中に、こっくりこっくりと舟をこぐ髪飾りの数々、早い子は朝3時起きで髪を結って着物を着つけているらしい、ふと気のゆるんだ瞬間に襲う睡魔の威力はどれほどのものなのか、10分ですべての用意を済ませた僕にはうかがい知ることができなかった。
成人代表のことばを軽く流して外に出た。本格的な再会のはじまりだ。
中学卒業以来会っていなかった旧友との再会、楽しくないはずがなかった。男子の多くは卒業アルバムとろくに変わっていなかったけれど、女の子はすっかり女性への変化を遂げていて名前を言われなければわからないことが一度ならずあった。
写真を撮ったり撮られたり、データフォルダが幸せ太りで膨らんでいく。
担任から「君はいまなにをやっているの?」と会場で二回、打ち上げで一回聞かれた、五年の月日で失われた彼女の記憶力に思いを馳せる。
クラス写真を撮ってしばらくすると祝賀会が始まった。小さなホールに並ぶお上品な軽食のテーブルは200幾名の食欲を満たすにはあまりに貧弱すぎた。
始まったビンゴ大会の一等がディズニーペアチケットだと知って息巻いて参加するが、ビンゴ!と喜ぶ声が上がるにつれて穴の開かないシートに目を落とすのも飽きてきた。隣の自衛官は「発表した数字の前後もあけていいんだよね?」と完全に正常な判断能力を欠いていた。
ギャンブルは人を狂わせる、「ここまできたらやめられねえよ」が口癖のパチンカスの友人の顔がまぶたの裏に浮かんでは消えた。
最期の出し物はスライドショーだった。自分の登場数こそ少なかったものの、とても楽しく見ることができた。もう一度ジャージに袖を通したくなった。
実行委員のおかげで祝賀会を満喫した後は写真撮影もほどほどにおばあちゃんちに向かった、襟付きなんか着ないじいちゃんも首を長くして待っていたそうだ。
愛想笑いがへたくそなのは母譲りだ。
昼食をとってすぐに地元へとんぼ返り。飲み会開始の時刻は刻一刻と近づいていた。四人のクラスメートを回収し駅前で飲み会開始、幹事の名のもとにノンアルコールで頑張った。
あらかじめ32人で人数確認をしていたのに35人着席していたのは笑った。他のクラスや中学校が同席していたせいもあって人が入り乱れていたが、いいかんじに各々盛り上がっていてホッとした。
元より仲のいい奴らで二次会をやる計画があったので、クラスの二次会は特に触れず、一次会を閉めたあと車で自宅に回収するメンバーを探すべく他クラスの打ち上げに向かった。
ここで問題のデブが現れる、名は松井。
むかしから負けず嫌いなデブであった。
誰よりも調子に乗って酒を飲み、誰よりも先につぶれる、ありがちなはしゃぎ方を披露してくれていたせいでこの写真を撮ってすぐに「全自動もんじゃ焼き排出機」に姿を変えた。
我は激怒した、必ず、このはた迷惑なデブを除かなくてはいけないと決意した。我には介抱がわからぬ。我はいつも潰れる側である。日本酒を飲み、いつも手荷物を失くして過ごしてきた。けれども嘔吐に関しては、人一倍敏感であった。
そもそもコイツとはクラスが違うのでそのへんに転がしておくことも考えていたが、二次会参加メンバーなのでどうしても連れて帰る必要があった。
なによりコイツが吐いて3-1じゅうにもらいゲロの嵐が起こる最悪のシナリオを回避しなければいけなかった。
吐きながら「つらいことがたくさんあるんだよぉ」ともらしていたのを聞く限り、吐き出したのは余計なアルコールだけではなさそうだった。毎日顔を合わせていたコイツが八王子に引っ越してから疎遠になっていたことを思い出し、新たな飲み会の設置の必要性を痛切に感じた。
20:30開始予定だったぼくらの二次会参加者の大半とは連絡がつかなくなっていた、すでに誰がどこにいるかすら分からなかった。松井がひと段落したのが後か先か、3-1の一次会は終わりを告げた。
代金を立て替え、ヤツに代わって手荷物を探し終えたころで松井は急激な回復を見せ、結局のところ松井はクラスの二次会へ向かった。
3-1の幹事が松井に言っていた「お前ここで二次会こなきゃ一生後悔するよ」の声がやまびこのように脳内にこだました。
「コイツ捨てて二次会やればよかった」
僕らが正解にたどり着くのはいつもいつも遅すぎる。
激エモい二次会の席でも、狂ったようにもんじゃ焼きを吐き出すデブの背中をさする僕にも時間は等しく流れていた。
正直死にたさしかなかった。
「実は中二の時アイツが好きだったんだよね」とか「お前アイツと付き合ってたのかよ!」とかやりたかった。
甘酸っぱい会話したかった。
松井が去った今、道連れにした三人の二次会参加メンバーだけが残った。
今夜飲まなかった分を取り戻そうと決意して満身創痍の体を引きずり駐車場に向かい、他の三人を押し込むように車に乗せた。途中一人が飲みすぎで具合が悪くなり、二次会は自宅で三人で行うことになった。今思えばヤケクソでしかなかった、本当に申し訳ない。
自宅でこの日のためにとっておいたの頂き物の日本酒を開けた。一杯か二杯飲んだところで記憶が途切れている、家に帰ってきてから何を話したかも覚えてない。五時ごろにひとり、昼過ぎにふたり帰って、完全にひとりになった。
二次会すっぽかしメンバーがツイッターを更新していた。「カラオケで朝まで…」字面だけで頭がクラクラした。
楽しそうな二次会の写真も見た、ぼくの心はすっかり壊れてしまった。
年明け前から計画していた幻の二次会は散々な結果に終わり、行方不明のメンバーから謝罪メールが届きだした。ひび割れた心にはどんな美辞麗句も響かなかった。
もはや流す涙もない。成人式の残骸を拾い集めるように写真を眺めても誰かの携帯で撮ったものが多く、手元にはわずかしか残っていなかった。
それとひとつ僕からも懺悔しなければいけないことがある。
いろんな人に褒められた僕のスーツのことだ。
実はアレ、おしゃれな友人から借りたもので自前ではないのだ。
男から聞かれれば「これ借り物なんだよ(笑)」と言えたが、女の子から聞かれると「借り物です」とは言えず「お、おう、ありがとよ」みたいな最低な反応をしてしまったことをここに記しておかなければならない。
来週は小学校の同窓会が予定されているのだが、一波乱起きる気しかしない。
何を隠そう幹事は私なのだ。
新年の抱負?ないよ[日曜定点観測20141228~20150104]
あいさつ
あけましておめでとうございます、本年もよろしくお願いします。
ことしも好きな人に好かれる一年であれ。
ふゆのあいだに読んだもの
「どうして人はキスしたくなるんだろう」みうらじゅん 宮藤官九郎
おふたりの対談を記録したエッセイ。
酸いも甘いも経験したふたりから「オンナはこう口説け」みたいな処世術を期待してエロ本をジャンプコーナーで読むときぐらいキョロキョロしながら借りたのに中身はロマンチックが止まらないおっさん二人の与太話で期待を裏切られた。最高だ。
永遠の中二と自称するふたりの恋愛失敗談を眺めていると「なんだクドカンもそんなことやってたのかよ」と遠い世界に感じていた脚本家を中学校の自転車置き場で談笑する友人のひとりのように錯覚してしまう。
最初の方の甘酸っぱい部分をよんでいるときに返却期間が迫って返却してしまったのできちんと読了には至っていない。
じつは少し前にも読んだことのあるこの本。
立命館大学に通う高野悦子の日記を彼女の自殺後に父が編纂し出版したという少し変わったスタイル。アンネの日記を想像するとわかりやすい。
自分のかたちが定まらずにうろたえる姿、はじめた酒とたばこ、学生運動のまっただなかのモラトリアムを膝小僧に傷を作りながら走り抜けていく彼女をカレンダーをたどりながら見ることができる。
「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である」
ほんとうにこれ。それこそ首がぽろりと取れるんじゃないかというほど頷いた。
あとの題名は忘れてしまった。昨日の朝ごはんレベルの脳内残留度。
エピソード
誕生日に岡のと関と遊んだ。
岡のと立ってると通りすぎてゆく女の子の視線が岡のに集中しているのがまざまざと思い知らされるからめっちゃむかつく。
関は遅刻してきたくせに帰るのはだれよりも早いからむかつく。
大晦日に野球部とサッカー部の合同忘年会に参加した。テニス部だけど。
長らくあってなかった人たちとも今度飲み会あるよーと言えばひょいっと集まれる気がする、ハタチって最高だ。
お酒を飲んでいいきもちになるのもいいけれど、その場に自分より豪快に酔っている人を見てしまうとなんだか尻込みしてしまうよね。
三年前ぐらいからお正月になると「おまえはいつ酒が飲めるんだ」と繰り返し言ってきた祖父とようやく元旦に杯を交わすことができた。ちょっぴり泣いてた。
なみなみと日本酒が入ったお手製の竹のぐいのみに何度もお酌をしてくるおじいちゃんがなんともいえずかわいらしくてついつい飲みすぎてしまった。
手帳が届いた
おわりに
小田和正はサイコー