Thoughts at 3AM.

記憶の補完

視力の話



今年に入ってから目が霞む、遠くの看板の文字がぼやけて見えることが多い。
はじめは疲れ目だとたかをくくっていたが日増しに視力の衰えを認めざるを得なくなった。

大学の健康診断では右目が1.2左目は0.9ほどなので問題ない、と言われたがどうも今まで見えたものが見えない気がしてしょうがない。
視力検査のドーナツが全部見えるとメガネをかけている子に自慢して回って歩いた小学生の頃の記憶が悲しく蘇る。


夜中までパソコンと読書をしてるせいだと母は言う、けれどこれを辞めるくらいなら眼鏡をかけたほうがマシだと言ったら普段眼鏡をかけたりコンタクトレンズをしている人に怒られてしまうだろうか。
目が悪くなって辛いことばかりではない、目が悪くなったぶん他の風景がずっと良くなった気持ちがするのだ。
祖母に刻まれたシワは少し減ったようで、部屋の壁についたシミもふと見た限りでは認識出来なくなった。


人の判別がつかなくなりはじめたら眼鏡を買おう、そう決めたのだった。